BeBe Rumorsは、主にBoiled Eggs Onlineの連載陣と小生をめぐるウワサ話について書く気楽なコーナーだ。したがって、これまでは、Boiled
Eggs Onlineのもう一つの役割である応募原稿などについて言及することは極力避けるようにしてきた。
先日、「日経WOMAN」8月号に、著作権エージェントBoiled
Eggs Ltd.についての紹介記事が出た。とくに表立った宣伝はしていないので、たぶんそのせいではないかと思う。このところ原稿の応募者が急に増えてきたのである。ありがたいことだが、一方で、応募の基本ができていない応募者も目に付くので、参考までに一言書いておきたい。
「原稿の応募方法について」に記してあるステップのなかで、3の「内容の要約」がきちんと書けていない応募者がいる。
小説ならまずストーリーとテーマ、エッセイなら全体のテーマと項目のある目次構成をわかりやすく、読みやすく、簡潔に書く。要約だけでは作品の魅力が伝わらないと思ったら、原稿の一部を添付するなどの配慮も必要だ。
「内容の要約」とは、要するに、企業社会でいうプレゼンテーションにほかならない。プレゼンテーションは商品そのものではないのだから、その商品を知らない相手に、魅力を的確に伝えるためには、細心の注意、テクニックが必要なのだ。こちらは、そこを見ている。にもかかわらず、肝心の文章がちゃんと書けていなかったり、誤字があったり、てにをはがおかしいままだったりするのである。
スピードが優先されるインターネットでは許されて通用することでも、出版ではこれは許されない、と肝に銘じてほしい。
言葉の精度が低ければ、企画の良し悪し以前に、この人は言葉に対するセンスが鈍いのではと思われてしまう。誰かが直してくれるだろうというのは甘えにすぎない。誰も直してくれないし、指摘もしてくれず、この段階でボツになる。内容に見るべきものがある作品だったとしたら、お互いに不幸なことだ。
不注意は誰にでもあるので、まちがいはあってもかまわない。ただ、私は細心の注意を払ってます、この作品には自信があります、たいへんな情熱を注いでいます、という姿勢をいかに強く伝えられるかが大切なのだ。
出版は楽しい世界だ。そして創造の世界である。誰にでも安易にできる世界ではない。その高いハードルを努力して越えていこうという強い意志と情熱を持ち続ける者だけが生きていける世界なのだ。
厳しい言い方をしたかもしれないが、送っていただいた自信作には、細かく目を通し、アドヴァイスしている。なかには、打ち合わせのなかから飛び出したテーマが結実し、骨太の長篇小説を一本書き上げた応募者もいる。こうした仕事のやりとりはとても楽しい。
読んでいて、思わず作者にメールや電話をしたくなる作品に出会ったときの喜びは、なにものにも代えがたい。