Boiled Eggs をめぐって
展開するあらぬウワサ…

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8月25日水曜日

ふう。東京はまだまだ暑い日が続いている。外出して帰ると、汗で下着もべったり。食欲が減退してきた。BeBe Rumorsの更新も滞りがちだ。

でも、暑い夏も確実に終わりに近づいている。25日はサラリーマンなら給料日だ。帰りに同僚とビールの一杯もひっかけていると、夜風にかすかにだが冷風が混じり出したことに気づくかもしれない。

激しい蝉時雨。遠雷。突然の夕立。窓を開けると、夏らしい夏の足下から、秋がひそやかに忍び寄る。こうして、何かがまたひとつ、失われていく。

昔から、夏は好きだが、夏の終わりが嫌いだった。気分が感傷的になる。今年もそうなってきた。本来ここで書くべきではないプライヴェートなことまでも、ふと書きたくなってくる。

出版社に勤めていた時代に、個人的にRiver Side Netというホームページを作っていた。ISPとの年間契約が切れるのを潮に、それをこの8月末で抹消する。他人には関係のないことだが、このホームページにはぼく個人にかかわる思い出が詰まっている。今までほったらかしにしていたくせに、これでおさらばかと思うと、急に寂しくなってきた。

特別個人的なことを書き連ねたページではなく、ぼく自身が編集者として関係した本を紹介するページだ。4年前の7月末に始め、昨年末まで更新していた。たった4年前のことだが、インターネットの波が本格的に日本を襲ったのが5年前。それを思うとかなり早い時期にホームページを始めていたことになる。

ぼくは自分のコンピュータをインターネットを始めるために買った。(会社の編集作業でNECの98を使ってはいたが)マウス操作もインターネットもまったくの初心者で、当時はわからないことだらけだった。特にインターネットは知人に聞いてもわからない。誰もよく知らなかった。自分で考え、勉強し、本を渉猟し、試行錯誤を繰り返さねばならなかった。 寝不足の日々が続いた。

インターネットは爆発的な普及にともなって技術革新もめざましく、次々と新しい試みが登場した。そうなると、元来が新しもの好きなので、試してみずにはいられない。本を紹介するなら趣向がなくてはつまらないと思い、GIFアニメーションに始まり、DIRECTORやFLASHを使ったインタラクティヴなページ、QuickTimeムーヴィー、3DのCGでロボットまで作った。個人のページとしてはかなり巨大なサイトになっていた。

今のように優秀なHP作成ソフトもなく、すべて手書きだった。

と、書いてみたが、感傷はやはり感傷にすぎない。これ以上はよそう。必要があれば更新し続けるはずだし、やめるのは個人的に必要としなくなったということだ。夏の終わりに、暗中模索しながらホームページを作っていた日々の高揚感を思い出し、そのことが懐かしくて筆がすべった。

 

8月14日土曜日

やっぱり、iBookでしょうか、林信行先生。「Apple ここだけの話」後編原稿が予定より遅れている主な原因は。

御多分にもれず、ぼくもマックワールド/ニューヨークにおけるスティーヴ・ジョブズの発表をインターネットで見ていたひとりである。オグラディのスクープイラストなどにも煽られ、数時間繋ぎっぱなしで見た。オグラディのは開発途上のプロトタイプのひとつだったようだが、それはともかく、AirPortには満足した。AirPortとはiBookに搭載されるワイヤレス・ネットワーク・システムのことである。

満足したのには理由がある。1年ほど前(iMacの登場前か後かは忘れた)、林信行さんたちとある本を作っていたとき、飲んだ席で、スティーヴ・ジョブズの戦略に話が及んだ。そのときぼくは、「ジョブズなら、通信衛星を使ったワイヤレス・ネットワークをやると思う。Macのお尻からコードをなくすことを考えるんじゃないかな。そうなったら、コンピュータはほんとに快適な道具になる」と言ったのだ。

実際に登場するMacはそうならなかったので、さすがにお先走りが過ぎたかと、iBookの発表までは正直思っていた。ジョブズはけっこう現実的な商売人かも、とも。

しかし、現実を越える(もしくは革新する)商売人であることはもはや疑いようがない。莫大な費用のかかる通信衛星などは使わず、Macのお尻からコードをなくす手法をちゃんと考えていたのである。iBookの本体デザインにしても、この1年間世界中に出現した予想イラストと称するデザインが赤面してうつむくしかないほどの出来映えだった。

真の意味でのデザイナー(設計者)とはこういう人を指すのだと思う。

ぼくはいま、仕事の手を休めては、インターネットやMacPeopleなどの林さんの記事で紹介されるiBookを飽かず眺める毎日だ。現物に触れるまでのささやかな愉しみ。実際のところ、iBookはいまのぼくに必要のない道具かもしれない。あのときぼくの見ていた夢を実現してくれたジョブズとそのチームのために、ぼくはiBookを買いに行くと思う。

(murat)

 
 
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