Boiled Eggs をめぐって
展開するあらぬウワサ…

Back Number

BeBe Gallery

 

 

2月27日日曜日

嫌なものを見て、嫌な気分にさせられた。金返せ! と叫びたいところだったが、タダなので叫べず、さらに腹が立った。

先月来、なにかと忙しく、ときには気分転換も必要と思ったのだ。昼からあちこち動き回り、気がついたら時間がない。地下鉄を乗り継ぎ、あわてて会場まで走り、間に合った、これで一安心。と思ったら、先の打ち合わせでひとつチョンボをしたことに気づき、始まる前に電話をかけたら、途中で切れた。PHSの使えない建物だったらしい。

しかたがない。まあ、用件はメールでも足りる。今は頭を真っ白にして、これから始まるハリウッド・コメディを楽しもう。というわけで、ぼくはこの映画の試写に特別なことはなにも期待していなかったのである。ただ面白く、楽しめればそれでいいのだ。ハリウッドなんだから。

冒頭から騒々しい。結婚式をひかえた男とその悪友たちがベガスに繰り出して、良からぬ遊びをするのだが、なんでそんなに怒鳴り合わなくちゃいけないんだよ。馬鹿騒ぎはいい。だけど、なんでそんなにのべつまくなしに騒々しいんだ。馬鹿騒ぎが高じて、娼婦とガードマンを殺してしまう。それを砂漠に埋めるのに、電ノコでごりごりやる。部屋中、血だらけ。

人物にまったく魅力がない。だから感情移入できない。頭が悪い。趣味が悪い。俳優が生理的に気持ち悪い。ひたすら怒声を交わし合う。コメディなんじゃないのか。ぼくは始まって10分で、来たことを後悔し、15分で気分が悪くなった。

でも、コメディなんだろ。そのうち、笑わせてくれるはずだ。笑わせてくれないまでも、どこかで面白がらせてくれさえすればいい。この繰り返しで、ああ、最後まで見ちまったよ。ようやくエンドロールが出たので、さっさと席を立とうとしたら、まわりは誰一人立たない。きっと、気分が悪くて立てなかったのだと思う。かまうことはない、ともかく、外に出て、自分だけでも夜風にあたるんだ。

ぼくは映画にはきわめて寛大な口である。出来がB級だろうがC級だろうが、どんな映画にもいいところはある、という一点において、故淀川長治氏に深い共感を覚える者だ。しかし、この映画ほど虫ずの走った映画は、未だかつてない。金まで払って(払ってないけど)、なにが悲しくてこうまで嫌な気分にさせられねばならんのだ。腹が減っているはずだが、何も食べる気がしない。こんな状態で食べたら、料理に申し訳ない。

しかたがないので、家に帰って、酒飲んで酔っぱらって寝てしまったが、嫌な気分は尾を引いた。仕事の絡みもあるので、試写はときどき見る必要はあるのだが、これからは極力厳選することにする。

翌日、じつに不快な映画だった、と中学生の娘に言ったら、「このチラシを読むだけで、わかりそうなものじゃない」と一蹴された。今後はチラシもチェックすることにしよう。

 

(murat)

 
 
Copyright 2000 by Boiled Eggs Ltd. All rights reserved.