新潮社「波」の7月号に、小滝橋トオルについて原稿を書いた。『Short
Love』7月21日発売の前に、小滝橋トオルのデビューに至るいきさつを何かの形でまとめておきたいと思っていたのだ。三浦しをんや加藤文のことはいろいろなところで話したり書いたりしていたので、次は小滝橋トオルのことを書きたかった。
小滝橋トオルは、ちょうど1年前の7月にBoiled
Eggs Onlineに原稿を応募してきたのである。それからすぐ、『Short
Love』の元になる作品集を作った。新潮社に売り込み、出版が正式に決まったのは今年の初めだった。新人のデビューの仕方としてはきわめて順調なのだが、これも作品の力、小滝橋トオルという才能が高く評価された結果だと思う。あとは、読者のみなさんにこの才能を心から楽しんでもらえたら、こんなうれしいことはない。
7月にはもうひとり新人作家がデビューする。みなさんよくご存じのあのエニックスが新雑誌を10月に創刊するのだが、そのプレ創刊号に、新連載小説『調伏丸の夜』(ちょうぶくまるのよる)のプロローグ、「魔神の刻」(ましんのとき)が掲載されるのだ。新人作家は、永澤智美(ながさわ・ともみ)という。三浦しをんと同年齢の女性作家だ。
Boiled Eggs
Onlineに登場したことは一度もないが、応募からデビューに至る間隔は応募者のなかで最短かもしれない。ぼくは「平安時代の新人」と人に言っては笑っているのだが、平安朝に関する知識には常に瞠目させられる。挿し絵を描いてくださる山口はるみ氏もすっかり感心していたほどだ。千年の時を超え、現代のわれわれにまざまざと見せてくれる絢爛かつ軽妙な王朝絵巻に、どうぞ期待していただきたい。