あああああ。ダメだダメだダメだ!
かれこれもう1カ月も外出、じゃなかった更新していない。
死んでしまえ俺。
ああ、こうしてなにか書こうとしても、滝本竜彦の口癖がうつる。
自分の文章も忘れてしまった。
仕事をしてないわけじゃない。
むしろ朝ははよから夜は深夜まで原稿を読み、読まぬ日は打ち合わせに明け暮れた。
そうこうしてる間に、新刊が出ていた。
新着たまご情報の更新まで遅れる始末。
ああ、死んで……以下略。
新刊『小説バンカーズ』の著者山崎洋樹は、漫画界では周良貨の名で知られる作家である。大手銀行に勤めた経験をもとに、銀行マンの青春を描いたのが本書だ。銀行マンといえば、昨今の度重なる不祥事でよいイメージがないが、これを読むと(当然のことだが)彼らも人間だし、恋をし、仕事に悩み、人生にもがき苦しんでいることがよくわかる。
一人の人間として、企業で働くことにどんな意味があるのかと自分に問いかけることがあったら、ぜひ本書を手にとってほしい。どんな境遇にあっても、一生懸命に生きることは意味があるし、人生はまんざら捨てたものじゃないという気にさせてくれるはずだから。
ぼくは長年、こういう青春小説を読みたいと願っていた。
前回予告した新連載を今日から始める。著者滝本竜彦は弱冠22歳の新人。「ひきこもり世代のトップランナー」を自認する、正真正銘の(というのも変だが)ひきこもり青年である。ひきこもりが高じて(という言い方も適切かどうかは知らぬが)、昨春大学をドロップアウトした。
打ち合わせに使ういつものホテルで初めて会ったとき、青年の顔は青ざめ、コーヒーカップを持つ手は心なしか震えていた。ぼくの視線に気づいたのだろう。
「こういう場所に来るのは初めてなもんですから」
と青年は説明した。
「学生なら、ふつうそうですよね」
「いえ。ひきこもりなんで」
「……!」
「ひきこもりなら誰にも負けない自信があります」
「そ、それはいいですねえ!」
ぼくの声ははずんでいた。時代を体現する人物についに巡り会えたと思ったからだった。
おそらく、いまのボイルドエッグズの応募システムがなければ、永遠にこの青年と会う機会は得られなかっただろう。青年にしても、ぼくのような人間と会って話すことはできなかったろう。このやり方が間違いではなかったと証明できた瞬間だった。
そんなひきこもり青年が贈る「NHKにようこそ!」は、妄想と現実とが渾然と融合した同時代感覚あふれる青春小説である。真に新しい世代による真に新しい小説が誕生する。ぼくはこれを「グルーヴィー・ノヴェル」と呼んでいるが、レッテルはどうあれ、同世代読者の共感を呼び、声援をいただける連載になると確信する。ご愛読をお願いします。