三浦しをんが『格闘する者に○』(草思社)でデビューして、早いもので一年になる。去年のちょうどいまごろのことだ。加藤文も同じ四月に『厨師流浪』(日本経済新聞社)でデビューし、その後も斎藤聖美『そうだ! 社長になろう』(文藝春秋)や小滝橋トオル『Short
Love』(新潮社)が続いた。今度文藝春秋から『快楽』が出る臨床心理士・梶原千遠との出会いがあったのも、このころだった。
昨秋、この時期の慌ただしい日々を「作家エージェントの一カ月」と題して「本とコンピュータ」(トランスアート)に書いた。作家や作品の宣伝になればと思って書いたのだが、高い雑誌だし、ふつうの読者の目には触れないだろうと思っていた。
ところが、編集者がこれを読んでくださっていたのである。ぼくの書いたものに興味をもち、Boiled
Eggs Onlineにアクセスし、そこで「しをんのしおり」を知ってファンになり、『極め道』(光文社・知恵の森文庫)を読んでくださった。先日、三浦しをんにエッセイを雑誌連載してほしいとの依頼があり、その編集者と話をしていて、以上の事実を知った。ぼくとしては作家のためになればと書いたものなので、こんなうれしいことはない。
そんなわけで、一年前のいまごろの「作業日誌」をここに再掲載します。