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■7月7日土曜日
わが愛しの気まぐれ娘G4 Cubeが、ついに角氷(アイスキューブのしゃれね)になるというニュースが伝わってきた。あまりの気まぐれぶりに、親もとのAppleも匙を投げたらしい。
うちの気まぐれ娘は一カ月半に及ぶ入院の末ようやく落ち着いてきた矢先だったので、一抹の寂しさが残るが、しかたがない。独創性とは往々にしてこういう結果に終わる。
親もとのAppleが、上記のようなしゃれた言い回しで生産中止を告知したことも珍しい。ふつう、そういうネガティブなコメントを企業はわざわざ出さないものだからだ。おかげで、株価も下げ基調だ。しかし、これもAppleがよくやる手なのである。
7月17日からマックワールド・エキスポがニューヨークで幕を開ける。例年、スティーヴ・ジョブズがそこでメガトン級の新製品を発表する。その前に、ネガティブな情報は吐き出してしまえというわけだ。
今年はiMacが完全にモデルチェンジしてお披露目されるだろう。いまのiMacとG4 Cubeの製品コンセプトを合体させたようなモデルになるかもしれない。モニターが液晶になることはほぼ確実だから、その可能性は大なのだ。
そんなことをつらつらと考えていたら、加藤文から電話があった。ハードデスクが昇天してしまった、というのである。一瞬、ぼくは背筋が凍りついた。第三作のテキストがパーになったか、と。不幸中の幸い、第三作だけは無事だったらしいのだが、ほかはすべてパーになっている可能性が大だという。
明日、アキバに行って、代替のハードデスクを買ってくる。メール環境からすべて新しく設定し直さなくてはならないので、週末の締め切り「きょうのお料理」は間に合わないかもしれないというのだ。
いやはや。他人事ではない。ぼくがG4 Cubeを買ったのも、もとはといえば、雷でモニターがやられたからだった。データに被害はなかったが、そのときの絶望感、といえば大げさか、目の前が暗くなる感じは手に取るようにわかる。
来週の加藤文は遅れるかもしれない。でも、それでもG4 Cubeのように永遠の角氷になるわけではない。機械を恨み、加藤文を信じ、しばし寛大な心で待つことにしよう。
■7月6日金曜日
本日発売の「ダ・ヴィンチ」8月号を見てほしい。三浦しをんの著者インタビューが載っているのである。インタビュアー温水ゆかり氏の紹介もさすがによいし、写真がまたすばらしい。ソフトフォーカスがかかり、耽美ななかに清楚な趣があり、本人の雰囲気をよく伝えている。
カルチャー&オピニオンマガジン「Stage」Vol.7(メデイア・ガレージ・7月7日発売)にも新世代作家特集として、三浦しをんのロング・インタビューが掲載されている。『月魚』に始まり、作家になる経緯、将来の展望まで、笑いとともに語られており、三浦しをんの素顔を知りたいファンにはこちらも必読のインタビューだ。
■7月2日月曜日
新着たまご情報の告知どおり、ひきこもり世代のトップランナー、わが滝本竜彦の長篇第一作がめでたく今年度の角川学園小説大賞を受賞した。「スニーカー文庫・ビーンズ文庫での刊行に適した作品ではなかったものの、作者の筆力と作品の面白さ」が認められ、特別賞として選ばれた。
いずれにしても喜ばしい。学園小説大賞は角川編集部の厳正な審査で決まる賞だが、何人ものプロの編集者、特に若い編集者たちの評価が高かったと聞いたときは、我が意を得たりと嬉しかった。本人もたいへん喜んでいる。一緒に角川書店まで挨拶に行き、発表の載ったThe
Sneaker誌を見ながら、「本当にほっとしました」とつぶやいていた。
中身については、『NHKにようこそ!』を知る読者の期待をけっして裏切らない物語とだけ言っておこう。版元の売り出し方もあるので、へたな紹介はしたくないのだ。今秋の刊行(単行本として刊行される)をぜひ楽しみにお待ちいただきたい。
三浦しをんの『妄想炸裂』(新書館)が書店に並びだした。版元がかわいらしいPOP(新刊の平台などに立つ小さな本の広告)を作ってくださり、著者手ずからそこに宣伝コピーを書いた。なかなかの傑作らしく、担当編集者Iさん(とくに名は秘す)はすっかり感激している。ぼくは残念ながらコピーを見ていないのだが、早ければ今週にも、書店店頭にお目見えするのではないかと思う。
一部書店にはサイン本も並ぶはずだ。お買い求めの上、ぜひ店頭で確かめてみてほしい。書店に頼めば、あるいはPOPもゲットできるかもしれない。
■6月24日日曜日
『月魚』(角川書店)のカバー袖に使われている三浦しをんのコスプレ写真が評判だ。みんな、笑ってくれる。
撮影はたいへんだったのである。角川書店の敏腕編集者Sさん(特に名は秘す)がロケに走り回り、鎌倉まで行って古い洋館を探してきた。今は旅館になっているその一室で撮影したものだが、あの一枚のために当日は朝から一日がかり。本人は体の硬さがわざわいして、カメラマンの要求するポーズがなかなかうまくとれない。
関係者全員の汗の結晶があのコスプレ写真なのだ。その迫力が伝わるのか、インタビュー取材で写真撮影があるときなども、「コスプレで来ていただいてもかまいませんよ」と笑われる。
この28日(木)に発売の『妄想炸裂』(新書館)にもコスプレの著者が登場! こちらはなんと、三浦しをんの敬愛する漫画家・羽海野チカ氏の描き下ろしだ。関係者のあいだでは発売前から、「かわいいー」と大評判。造本全体も「ラヴリー&スウィート」のコンセプトでできている。装幀だけでも必携の価値あり。ぜひお買い求めください。
コスプレ写真の影響はほかの作家にも及んでいる。上記の話を加藤文にしたら、ぼくもコスプレで行きたいと言い出した。が、そこからが加藤文らしいというか、肖像写真では日本最古の写真館・有賀写真館に自ら予約し、自らコスプレ写真を撮ってしまったのである。7月下旬発売の待望の第二作『やきそば三国志』(文藝春秋)のカバー袖に飾られるので、作品ともども楽しみにお待ちいただきたい。
なんのコスプレかは、いずれまた。
(murat)■
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