Boiled Eggs をめぐって
展開するあらぬウワサ…

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3月18日木曜日

瀬戸川猛資氏の訃報に接した。瀬戸川猛資氏は博覧強記という肩書きがふさわしい文芸評論家だった。海外ミステリと映画にも造詣が深く、優れた作品をいち早く見抜く眼力はとうてい余人の及ぶところではなかった。しかも、文章は鋭利な刃物のようによく切れた。

福永武彦、中村真一郎、丸谷才一の三人が著した『深夜の散歩』という現代ミステリについての名著があり、ぼくはこの作品が無類に好きだった。仕事をしながら、この三人の衣鉢を継ぐ書き手は誰かとよく考えたが、真っ先に浮かぶのはいつも瀬戸川猛資氏の名だった。

それで、出版社に勤めていたとき、『深夜の散歩』よりもさらに新しい現代ミステリについて語る『夜明けの睡魔』の単行本の編集を担当させてもらった。小説以外に編集を担当した初めての作品だったかもしれない。文章を読みながら、気分が高揚した。装幀は冒険して、菊地信義氏に依頼した。菊地信義氏がミステリ関連の装幀を手がけたのはこれが初めてだったと思う。

その後は、文庫本の解説をお願いしたり、『ミステリ・ハンドブック』という解説書の鼎談で古今の海外ミステリの総括を語ってもらったりした。

とくに深いおつきあいがあったわけではない。書評、評論の分野で、丸谷才一氏の後継者は瀬戸川猛資と確信はしていたが、こんなに早く亡くなられるとは想像もしなかった。志半ばで、くやしい思いが残ったことと推察する。

今夕は、泉岳寺で静かに氏を偲びたい。

 

3月13日土曜日

いやー驚いたのなんのって。と書けば大袈裟に過ぎるが、わりと驚きました。

昨日は、内藤美和氏とお会いしたのである。じつはお会いしたのは今回が初めてで、会ったこともない方に原稿の依頼ができるのもこれまた今の時代のありがたさ。それはさておき、文は人なりとはよく言ったもので、あ、この人ねという感じで、ぼくはすぐ先方を識別できた(もちろん前もって打ち合わせができていたからでもあるが)。ちなみに内藤美和氏のほうはわからなかったようだった。ともかく、マックワールドの二の舞いは踏まずにすんでよかったし、その後もなにか、昔からの気の置けない友人とあっという間の数時間を過ごしたような気分だった。

内藤美和氏は友人作家のデビューを祝うプライベートな集まりのために東京に来た。その作家とはさる大型書店の単行本の売り場で会う約束になっているというのだが、場所がわからないというので、案内することにした。

ほぼ時間どおりに着いて、店内を探すと、目指す相手が前方にいて、内藤美和氏とくだんの友人作家は、「会えてよかったねー」と、やおらひしと抱き合ったのである。

ぼくが驚いたのは、内藤美和氏が抱き合った相手、その友人作家が、なんと女性だったからなのだ。事情があって今のところ名は明かせないが、その作家の名はどこから読んでも男性名だし、内藤氏からも性別についてはとくに言及がなく、書いている中身も国際謀略ものだったので、著者が女性とはぼくは露ほども考えなかったのだ。

内藤氏が紹介してくださったので、名刺を出したまでは覚えているが、そのとき話したこともその後のことも、心的パニックが尾を引いて、よく覚えていない。

国際謀略ものというのは、グリーンやル・カレの昔から男性作家の独壇場であったはず。昨今は、そんな一種の聖域にまで女性作家のパワーがのしてきている。どんな仕事でも性別に意味はなく、まして小説ともなれば、才能のあるなしこそが判断の基準なのだが、それにしても昨日は、わが日本の小説界の女性パワーを目の当たりにした一日でした。

本Boiled Eggs Onlineに女性作家が多いのも、時代を映しているという気がしないでもない。

 

3月5日金曜日

福永京美氏はコンピュータのトラブルに泣かされている。マックの起動時にフロッピーアイコンが出て、?マークが点滅するらしい。これって、もしやハードディスクが壊れかけてるのでは。また、最近購入したノートでは、「入力すると変換するときにぼわーんと変換のプロセスが写る」という。中古ノートなんか買うからじゃないといったら、「いいえ、この中古品は出張のときのメールチェック用なので、期待も少なく、文句はまったくなし。おかしいのは、新しく買ったWIN98のノートの新品ぴかぴかのほうなのよ。パソコンはこれだから嫌いだ!」とのことでした。

林信行氏の「Apple ここだけの話」第3回だが、幕張のマックワールド直前に草稿を読ませてもらった。これが、すごく面白い。が、時間切れで途中までだった。なんとか完成にこぎ着けてもらいたいものだが、あと少しの辛抱。マック・ファン必読の内容でしたよ。

内藤美和氏は来週、友人作家の出版記念パーティー出席のため東京に来る。そのさいお会いすることになっているのだが、ちゃんと会えるかどうか。この前、幕張では(別人とだが)失敗してるからなあ。

合木こずえ氏は映画の試写会その他で、ほぼ毎週東京に来ているらしい。こちらは全然お会いできない。ハードスケジュールらしいのですね。

台湾から無事帰国した三浦しをん氏だが、「ガムを食べていたら口の中を思い切りかんで、ガムが血の味になった」とのこと。最近よく口の中をかむのはどうやら(美食三昧の結果)顔が太ったから、というのだが、そんなことってあるんであろうか?

小生は今週、秋葉で待望の新パワーマックG3/DVDを買いました。じつはG3アップグレードカードを買う予定で行ったはずなのに、いきなり入荷したてのマシンを見てよろめいた。これから、『ウインター・ゲスト』を観る。オフィスがプライベート・シアターに早変わりするんである! ますます映画館から足が遠のくかもしれない。でもこれが知れたら、合木さんにまた怒られるだろうな。

(murat)

 
 
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