PROFILE

1991年、長野県松本市生まれ。 信州大学人文学部中退。 『気障でけっこうです』で第16回ボイルドエッグズ新人賞を受賞。受賞作は7社が参加した競争入札の結果、角川書店が落札。2014年10月、同社より刊行され、作家デビュー。
「幻冬舎plus」にて、連載エッセイ『新人作家は今日も大学近くの喫茶店でぐずぐずしています。』を開始(2016年2月終了)。 『気障でけっこうです』のスピンオフ短篇「ハムスターと私」が「小説屋sari-sari」2015年3月号に掲載。 長篇第2作『火星の話』は、2015年4月、角川書店刊。 「小説すばる」2015年7月号に短篇「空に飛び蹴り」が掲載。 2015年10月4日より、朝日中高生新聞で新作『銀杏の木の下で』を連載(2016年3月末終了)。11月、長編第3作『おとめの流儀。』をポプラ社より刊行。 「別冊文藝春秋」電子版5号(2015年12月刊)より、長編『こちら文学少女になります』の連載開始(2016年6月刊電子版8号で終了)。 2016年4月、 朝日中高生新聞で『真夏の一番星』を連載(同9月末終了)。「小説すばる」7月号に短篇「吠えるな」、「小説新潮」8月号に短篇「沼」、「小説すばる」11月号に短篇「怒る泣く笑う女子」、「小説新潮」12月号に短篇「(爆)」が掲載。 9月、長編第4作『こちら文学少女になります』を文藝春秋より刊行。11月、『気障でけっこうです』文庫化(角川文庫)。
2017年1月、「小説新潮」2月号に短篇「或るミコバイトの話」が掲載。2月、『気障でけっこうです』が第6回北陸文庫大賞を受賞。長編第5作『ぼくのとなりにきみ』をポプラ社より刊行。3月、「小説すばる」4月号に短篇「ストーリーテラー」が掲載。4月、「小説新潮」5月号に短篇「友情だねって感動してよ」が掲載。6月、「小説すばる」7月号に短篇「僕とじょうぎとぐるぐると」が掲載。8月、長編第6作『ぼくらはその日まで』をポプラ社より刊行。 8月、「小説新潮」9月号に短篇「象の像」が掲載。10月、『今夜、きみは火星にもどる』角川文庫刊(『火星の話』改題)。11月、長編第7作(書き下ろし)『悲しい話は終わりにしよう』を角川書店より刊行。12月、『おとめの流儀。』ポプラ文庫刊。2018年4月、第8作となる『放課後ひとり同盟』を集英社より刊行。6月、「小説現代」7月号に短篇「おりがみ」が掲載。9月、第9作となる『友情だねって感動してよ』を新潮社より刊行。11月、アンソロジー『そしてぼくらは仲間になった』(小嶋陽太郎の参加作品「夏のはぐれもの」)をポプラ社より刊行。2019年6月、書き下ろしアンソロジー『行きたくない』(小嶋陽太郎の参加作品「シャイセ」)を角川文庫より刊行。2021年3月、『放課後ひとり同盟』を集英社文庫より刊行。2022年2月、静岡新聞日曜版に連載した『カンフー&チキン』を大幅に加筆改稿しポプラ社より刊行。Boiled Eggs Onlineの「今月のゆでかげん」に月一作のペースでエッセイを寄せている。

BOOKS

キララララシャー!!! 僕は変わる。

奇怪な雄叫びとともに、朝ガエルズの闘いの幕が上がる! ボクは見ていたよ。大事なものを奪われただろう。それを取り戻すのさ。県内一の名門高校に入るために塾に通う竹人は、塾の帰り、市内にのさばる不良チーム・夜明スコーピオンに襲われた。そこに、あやしい気功術を使う変わり者のクラスメイト・クラゲが現れる。その気功術もはね返されるが、翌日、クラゲは夜明スコーピオンをやっつけて大事なものを取り戻そうと竹人を誘う。そんなこと、できるわけがない。と断った竹人だったが……もやもやした心に、光と風が流れ込む穴をあけろ! 繊細で勇猛な14歳たちの物語。
ポプラ社/2022年2月刊/定価・本体価格1,500+税/イラスト:あき(Acky Bright)・デザイン:bookwall/⇨Amazon

どんな悩みの中にいたって、きっと味方はいる!

「なにか護身術習えば?」痴漢に遭った女子高生の林は、友人にそう提案されるがまま、パルコの屋上にいる「蹴り男」に会いに行く。その男は、降ってくる不幸を阻止するために、空に向かって蹴りを続けていると言うが……(「空に飛び蹴り」)。離婚寸前の両親、心と体の性別の不一致、永遠に叶わぬ恋。一人きりで悩んで今にも心が爆発しそうなとき、この本はきっとあなたの味方になる! 傑作・青春連作短編集!(解説・藤田香織)
集英社文庫/2021年3月刊/定価・本体価格560円+税/カバーイラスト:新井陽次郎・カバーデザイン:アルビレオ/⇨Amazon

最旬作家たちによる全編書き下ろし!
阿川せんり/奥田亜希子/加藤シゲアキ/小嶋陽太郎/住野よる/渡辺優

恋人との別れ話を見ていて——幼馴染に頼まれた僕に訪れた出会い(「ポケット」加藤シゲアキ)。私の家に毎夜知らない「友達」がやってくる。ある時から、同じ人が何度も現れるようになり(「コンピレーション」住野よる)。気分がのらない朝。ぜんぶ放り出したい瞬間。誰だって「行きたくない」時がある。そんな所在なさにそっと寄り添う、一瞬のきらめきを切り取った旬の作家6名による文庫書き下ろしアンソロジー。
小嶋陽太郎作品は「シャイセ」。
角川文庫/2019年6月刊/定価・本体価格600円+税/カバーイラスト:ダイスケリチャード・カバーデザイン:bookwall/⇨Amazon

こんな三人組、あり!?  ズッコケ三人組シリーズ40周年記念企画!

男の子、女の子、ロボット……三人ってなんだかいい。二人がケンカしても、もう一人が「まあまあ」って言えるし、一人が困っていても、二人が助けてあげられる。一人は個人、二人だと親友で、三人なら仲間だ。仲間のなり方は千差万別、仲間の数だけいろいろ。どうしてぼくらは仲間になったのか。いろんな形の友情に、いま活躍中の作家5人が挑んだ、超胸熱書き下ろしアンソロジー。小嶋陽太郎の作品は「夏のはぐれもの」。
ポプラ社/2018年11月刊/定価・本体価格1400円+税/カバーイラスト:みずす・ブックデザイン:楢原直子(ポプラ社デザイン室)/⇨Amazon

熱いと温かいの真ん中くらいの何かが駆け抜けた。 (後藤正文)

奇跡なんて信じない。それでも、祈り続ける。新しい世界に踏み出すために——優等生で日和見主義の「僕」とガールフレンドの吉川、人形の〈はるちゃん〉と会話するクラスメイト・湯浅の一筋縄ではいかない友情関係を描いた表題作をはじめ、三人の男女が紡ぐ“あの頃”の全て。20代の著者が執念で描く、いま、そこに確かに存在する若者たちの情動と煌めきが詰まった、生傷だらけの全6篇。全能感と劣等感、倦怠と焦燥。それでも、誰かと分かり合いたくてもがいていた、この物語は、あの頃の僕たちへの賛歌だ。
新潮社/2018年9月刊/定価・本体価格1600円+税/装画:浅野いにお・装幀:新潮社装幀室/⇨Amazon

いま、ほんとうに、こんな本がほしかったんだ。(金原瑞人)

どんな人生を歩んでも、きっと誰か味方はいる。「林ちゃん、なにか護身術習えば?」そう提案されるがままに、私はパルコの屋上にいる蹴り男に会いに行く。男は、空から降ってくる不幸を阻止するために、空に向かって蹴りを続けている――「空に飛び蹴り」。気になる人ができたかも。新学期、クラス替えした教室で、私は原田幹雄に出会う。クラスでひと際目立つ原田を意識する一方で、私はあることに悩んでいた――「怒る泣く笑う女子」。ほか「吠えるな」「ストーリーテラー」「僕とじょうぎとぐるぐると」の全5編。学校を舞台に、10代特有の初期衝動を描く、青春連作短編集。
集英社/2018年4月刊/定価・本体価格1500円+税/装画:新井陽次郎・デザイン:アルビレオ/⇨Amazon

なぎなた部、かっこいい! ぐふぐふ笑いながら読み、試合シーンに息をのみ、最後はまばゆくて文字がかすんで見えました。……涙のせいかもしれません。(三浦しをん)

中学1年生になったさと子が入部したのは「なぎなた部」。部員不足によりさっそく廃部の危機にさらされたが、不安しかないメンバーが揃い、なんとか回避。だけど、部長の朝子さんから告げられた部の目標は「剣道部を倒す」ことで——!? 13歳、部活も人生も、いざ真剣勝負! 三浦しをん氏、北上次郎氏ら本読みのプロにも絶賛された小嶋陽太郎の長編第3作、早くも文庫化!
ポプラ文庫/2017年12月刊/定価・本体価格740円+税/装画:かわつゆうき・デザイン:オフィスキントン/⇨Amazon

僕がその手を離さなければ、未来は違っていたのだろうか。

松本は僕の生まれ育った町だった。生まれ育った松本から出ることのないまま大学生になった僕は、信州大学附属図書館のくたびれたソファで寝るか、数少ない友人の広崎と吉岡さんと慣れないビールを飲んで時間をつぶす毎日を送っていた。季節とともにまわりはどんどん変わっていくのに、あの日のことを忘れられない僕は、ずっと動けずにいた。友情、淡い恋心、ちぐはぐな心とからだ——松本を舞台に、胸をかきむしるほどの切なさで青春の喪失と再生をみずみずしく描ききった小嶋陽太郎入魂の新境地。痛みと絶望の先に差すかすかな光のまぶしさに胸がひりつく書き下ろし長篇第7作。
角川書店/2017年11月刊/定価・本体価格1400円+税/装丁:須田杏菜・写真:渡辺 委/⇨Amazon

僕は彼女のために何ができたのだろう。

「私、火星人なの」――必死なまなざしでそううそぶく佐伯さんに、僕は恋をした。夏休みの数学の補修を一緒に受けながら毎日彼女のいる火星の白昼夢を見るほど、気持ちはつのるばかり。誰もいない校舎で、夜のグラウンドで、ゲームセンターで、佐伯さんとの距離はだんだん近づいていったが、彼女は自分の家のことを決して話そうとしないまま、別れの時が迫っていた。不思議な転校生への恋心が退屈な日常を変えていく、限りなく切ない青春小説。小嶋陽太郎の「あとがき」付き。(『火星の話』改題/解説・吉田大助)
角川文庫/2017年10月刊/定価・本体価格760円+税/装画:とろっち・装幀:AFTERGLOW/⇨Amazon

どうかこの夜が終わらずに、いつまでも。

サク・ハセの幼馴染み男子コンビに、不思議少女・チカが加わった仲良し3人組。中2のクラス替えでひとり離れてしまったサクは、バレー部のエース・水瀬さんから思ってもみない告白を受ける。夏休み、合宿と称して3人組はハセの親戚の家へ。そこで変なしゃべり方だけどやたらと美人の高校生・桐子さんに出会い、サクは人が恋に落ちる瞬間というものを初めて目にする。親友・ハセの一心な恋は、眠っていた記憶と未来を結び——「好き」も「わからない」も「絶対」も、全部まっすぐだから難しい。「朝日中高生新聞」で人気沸騰! 青春のもどかしさときらめきを描く快作!(朝日中高生新聞連載『真夏の一番星』改題、大幅加筆・改稿)
ポプラ社/2017年8月刊/定価・本体価格1400円+税/装画:オカヤイヅミ・装幀:三瓶可南子/⇨Amazon

やっぱり小嶋陽太郎は、チャーミングの天才!

むずむずした。そわそわした。心がくすぐったくて、じっとしていられなくなった。やっぱり小嶋陽太郎は、チャーミングの天才!——書評家・吉田大助氏。 慎重で大人っぽいサクとスポーツ万能で天真爛漫なハセは、仲良し中1男子コンビ。夏休みの最終日、町の古墳へ冒険に出た2人は謎の暗号を拾ってくる。教室で解読にいそしんでいると、いつもフシギな行動が目立つ近田さんが割り込んできて、暗号調査隊に加わることに。はじめは乗り気になれなかったサクだったが、無防備な笑顔やまっすぐに歌う姿を見るうち、近田さんが気になっていく。彼女の奇行にはどうやら秘密があるようで……。クラスではちょっとだけ変わり者の3人組、冒険と恋の青春物語。(朝日中高生新聞連載『銀杏の木の下で』改題、加筆改稿)
ポプラ社/2017年2月刊/定価・本体価格1400円+税/装画:オカヤイヅミ・装幀:三瓶可南子/⇨Amazon

公園に、おじさんが生えている。

女子高生のきよ子が公園で出くわしたのは、地面に首まですっぽりはまったおじさんだった。「人生の小路に潜む、落とし穴にはまり……」と間抜けな格好で嘆く男。きよ子は助け出そうとするも、途中で車にはねられ病院送り。病室で目を覚ましたきよ子の前に、あのおじさんが現れた。「私、死んじゃったんですよ」七三分けのキザで気弱なおじさん幽霊と退屈を持て余している女子高生の奇妙な交流を描く、切なく不思議な新感覚の青春小説。スピンオフ短篇「ハムスターと私」も収録。 期待の新鋭による第16回ボイルドエッグズ新人賞受賞作の文庫化。小嶋陽太郎初の「あとがき」付。(解説・松井ゆかり)
角川文庫/2016年11月刊/定価・本体価格720円+税/装画:佐藤おどり・装幀:AFTERGLOW/⇨Amazon

「ユリちゃんも、何かトラウマがあるんでしょ? 」

大手出版社入社一年目、「漫画嫌い」の山田友梨が配属されたのはなんと、男だらけの青年漫画誌「ヤングビート」だった。大物作家を激怒させ、長寿連載「解決屋一平」はまさかの終了。さらには童貞が主人公のエッチ漫画「いまだ、できず」の人気は急降下。雑誌を牽引する大ヒット作「キヨのひらく箱」には激しく心を動かされるものの、作者とは一回も会えない。編集失格の烙印を押される友梨の前に、ある日、かなり見覚えのある"あの子"が現れた。「ハロー、ユリちゃん」—— イタくて深い、新感覚!青春感動物語。
文藝春秋/2016年9月刊/定価・本体価格1750円+税/装画:西村ツチカ・装幀:大久保明子/⇨Amazon

凛々しくキュートな、なぎなた少女の青春物語

中学生になったばかりのさと子が入部したのは、全国でも珍しい「なぎなた部」。凛々しい美人だけどかなり変わり者の2年生・朝子さんしか部員はおらず、さと子は部員集めに奔走する。なんとか急造したへっぽこなぎなた部は部長の朝子さんの独断で、思わぬ相手と闘うことに。 一方、変わり者といえばお母さんもだ。「どうしてうちには、お父さんがいないの?」と聞いても、「オトウサン? 何それ?」とトボけるばかり。でも中学生になったから、もう騙されてあげられない。さと子の13年の人生をかけた闘いが始まる。 俊才が放つ、青春小説の新たなる傑作!

ポプラ社/2015年11月刊/定価・本体価格1500円+税/装画:ちぃたん(さよならポニーテール)・装幀:オフィスキントン/⇨Amazon

大人になったら、彼女は帰ってしまう。

私の本当のおうちはとっても遠いの。それは地球の裏側よりももっと遠く、人類が持てる技術をすべてつぎ込んでやっと到達できるくらいの場所。でも、大人になったら帰らなきゃいけない。十八歳の誕生日には火星に帰らなきゃ――転校してきた佐伯さんは、まわりから頭のおかしな人と思われていた。でも、僕はそんな彼女のぽつんとした背中が気になってしかたがない。サインコサインタンジェント——夏休みの補習で、先生が呪文を唱えると、世界はぎゅるぎゅるぎゅると回り出した。コジマ・マジック炸裂! デビュー2作目にして、早くもフシギ青春小説の金字塔!

角川書店/2015年4月刊/定価・本体価格1400円+税/装画:西村ツチカ・装幀:西村弘美/⇨Amazon

第16回ボイルドエッグズ新人賞受賞作

女子高生のきよ子が寂れた公園で出会ったのは、地面から首だけ生えた“おじさん”だった。男はなぜおとなしく穴に埋まっているのか? きよ子は男を助け出そうとするが、その途中で車にはねられ病院へ。意識を取り戻したきよ子の前に、公園に埋まっていたあの男が突然現れて……!? 笑、涙、謎、友情。大切なこと、みんな幽霊が教えてくれた。史上最年少受賞の現役大学生作家が描く、風変わりでユーモラスな極上の青春小説。
⇨『気障でけっこうです』KADOKAWA書誌ページへ

角川書店/2014年11月刊/定価・本体価格1300円+税/装画:西村ツチカ・装幀:西村弘美/⇨Amazon

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背景画像:『火星の話』(角川書店)装画(©西村ツチカ)より/Copyright (c) 2022 Boiled Eggs Ltd. All rights reserved.  Since 1999.01.01