装画:栗城由香 装幀:小川恵子(瀬戸内デザイン)
「幸福な死」を選べるとしたら、あなたはどうしますか?
東北のあるさびれた街に、毎日欠かさずお参りすると、30日が過ぎたとき、この世のものとは思えぬ快楽とともに死を迎えることができる神社があるという。それを体験した人物の日記がネットで拡散し、幸福な死を求めて、さまざまな事情を抱えた人たちが街に集まってくる。街は皮肉にも活気を取り戻すのだが……。
死にたい人たちの人生と、街をよみがえらせたい人たちの思いが交差する、意欲あふれる連作短編集!
目次:
第一話 私の神様
第二話 死が二人を分つまで
第三話 ゆがんだ顔
第四話 テルミ&ルイ
第五話 封印された民話
第六話 死者でよみがえる街
エピローグ とある居酒屋にて
東北のとある街に、三十日間参拝を続けると、この世のものとは思えないほどの恍惚を感じながら死ぬことができる神社がある——そんな噂を聞きつけ、さまざまな人が神社を訪れます。
妻の病が悪化する前に、ともに人生の幕を閉じようとする老夫婦。参拝三十日目の朝になぜか首つり自殺をした男。認知症の母を神社に連れていくかどうかで悩む息子。本当に死ぬべきなのか悩みながらも、神社に通い続ける人々。「死神」を祀ると言われる神社の謎を解き明かそうとする記者。そして、死にたい人たちによって活気を取り戻す街の人々の葛藤。
生と死の狭間で揺れる、人生最後の三十日を巡る物語を、どうぞお楽しみください。
1984年秋田県生まれ。法政大学社会学部卒業。『シャガクに訊け!』で第22回ボイルドエッグズ新人賞を受賞(2019年2月1日発表)。受賞作は光文社から2019年10月刊行。第2作は「小説推理」(双葉社)に連載ののち、2021年5月、双葉社より単行本として刊行。「小説宝石」2020年12月号(光文社)に短篇「バビップとケーブブ」が掲載。『死神を祀る』は単行本第3作となる。
遅ればせながら、7月16日付「秋田魁新報」の読書欄に、大石大『死神を祀る』(双葉社)が取り上げられていました。 pic.twitter.com/Mx67pzhOpA
— ボイルドエッグズ (@BoiledEggsLtd) July 25, 2022
北羽新報(7月7日付)に、『死神を祀る』(双葉社)を出した大石大のインタビュー記事が掲載されました。公務員の仕事を辞め、執筆活動に専念していることが紹介されています。次作の情報もあり、一部は雑誌に掲載予定とありますが、その一つは「小説宝石」7月号に掲載された「シェルター」です。 pic.twitter.com/P3HN03NzUU
— ボイルドエッグズ (@BoiledEggsLtd) July 8, 2022
小説すばる7月号の吉田大助氏の書評は、これです。大石大『死神を祀る』が「死神をモチーフにした特殊設定ミステリー」で「この読後感は、優れたエンターテイナーの証」と絶賛されています。ぜひ全文を! pic.twitter.com/tPxpyFxeAK
— ボイルドエッグズ (@BoiledEggsLtd) June 17, 2022
小説すばる7月号で、大石大『死神を祀る』(双葉社)を書評しました。死神神社に毎日欠かさず30日間参拝すると、安全確実な死がもたらされる──。この特殊設定を採用したからこそ表現可能となった謎が次々出現。恋は人を狂わせる、という一見ありふれたテーマをアップデートした第3話が最高でした。 pic.twitter.com/WGZrg7eu6O
— 書評を読む。吉田大助 (@readabookreview) June 17, 2022
大石大『死神を祀る』、とても面白かった。三十日間欠かさず参拝すると幸福な死を与えてくれるという死神を祀る神社の伝説に翻弄される人間の姿がさまざまな視点から描かれているなかで、自殺を志願して町にやってきた客のおかげで店が繁盛する罪悪感に思い悩むケーキ屋の話がめちゃくちゃ好き。
— シャット (@shut_kyomu) June 15, 2022
「幸福な死」を選べるとしたらあなたはどうしますか? DV、ネグレクト、貧困、介護……現代社会特有の問題を抱えた主人公たちは最後に何を選び、捨てるのか──『死神を祀る』大石大 : https://t.co/2k1LPylCQg #双葉社COLORFUL #死神を祀る #大石大 #門賀美央子 #ミステリー
— 双葉社文芸出版部 (@shousetsusuiri) June 3, 2022
大石大さんの『死神を祀る』を読了。
— アイス@読書 (@astronomy06111) June 3, 2022
大石さんは連作短編が上手いなぁ。前話の登場人物が、すれ違うようにサラッと出て来た時の”話が繋がる感じ”が好き。
サクサク読めてしまうけど、一連のテーマは死について。
私も、幸福な死があるとしたら、試さずにはいられないかな…。
おもしろかったです。 pic.twitter.com/AzoMdzZ3Sq
「小説推理」7月号(双葉社)に、大石大の新作『死神を祀る』の書評が載っています。「死という現象から見た現代日本の姿が自然と浮き上がってくる仕掛けになっている」評者は門賀美央子さん。なお、書評全文はAmazonの『死神を祀る』でも読めます。 pic.twitter.com/cvjhkXGT9q
— ボイルドエッグズ (@BoiledEggsLtd) May 28, 2022
大石大『死神を祀る』読了。30日間参拝すると幸福に死ねる神社を巡る連作集。特殊な状況下だからこそ展開する人間描写、意外な展開がどの話も秀逸でした。ホラー、ミステリ、人間ドラマなど様々な要素が見事に融合しています。大石さんのこれまでの作品で断トツで面白かったです。すごい。
— 友井羊@小説家 (@tomoihitsuji) May 19, 2022
お気に入りは第一話と第三話。「私の神様」はとある一文がとても効果的で素晴らしいです。「ゆがんだ顔」は“幸福に死ねるはずの人間がなぜ自殺したのか”の問いに対する真相がミステリとして秀逸でした。設定こそ奇抜ですが、全体的にとても地に足の着いた優れた小説作品です。 pic.twitter.com/5MpqEox5yK
— 友井羊@小説家 (@tomoihitsuji) May 19, 2022
*大石大さんへの質問、応援メッセージ、作品の感想はこちらにお送りください。著者インタビュー、ご取材もこちらにお願いします。
(ボイルドエッグズの担当者宛てです。担当者から大石大さんに転送します)