おとめの流儀。特設サイト
三浦しをん氏、興奮

なぎなた部、かっこいい!
ぐふぐふ笑いながら読み、試合シーンに息をのみ、最後はまばゆくて文字がかすんで見えました。……涙のせいかもしれません。
さわやかで、切実で、頼もしく愉快な中学生の姿に触発され、私もなぎなたを手にしたくなりました!
                ——三浦しをん 

三浦しをん氏、興奮

なぎなた部、かっこいい! ぐふぐふ笑いながら読み、試合シーンに息をのみ、最後はまばゆくて文字がかすんで見えました。……涙のせいかもしれません。さわやかで、切実で、頼もしく愉快な中学生の姿に触発され、私もなぎなたを手にしたくなりました!
——三浦しをん

おとめの流儀。
小嶋陽太郎
(ポプラ社刊)


  装丁:オフィスキントン 装画:ちぃたん(さよならポニーテール)

 ポプラ社 Amazon 楽天ブックス セブンネット e-hon 
おとめの流儀。
小嶋陽太郎
(ポプラ社刊)


  装丁:オフィスキントン 装画:ちぃたん(さよならポニーテール)

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凛々しくキュートな “ なぎなた少女 ” の青春物語

中学生になったばかりのさと子が入部したのは、全国でもめずらしい「なぎなた部」。凛々しい美人だけどかなり変わり者の2年生・朝子さんしか部員はおらず、さと子は部員集めに奔走する。なんとか急造したへっぽこなぎなた部は部長の朝子さんの独断で、思わぬ相手と闘うことに――。
一方、変わり者といえばお母さんもだ。
「どうしてうちには、お父さんがいないの?」と聞いても、
「オトウサン? 何それ?」とトボけるばかり。
でも中学生になったから、もう騙されてあげられない。
さと子の13年の人生をかけた闘いが始まる。

強くなれる。大事なものを、きっと守れる。
俊才が放つ、青春小説の新たなる傑作!

凛々しくキュートな “ なぎなた少女 ” の青春物語

中学生になったばかりのさと子が入部したのは、全国でもめずらしい「なぎなた部」。凛々しい美人だけどかなり変わり者の2年生・朝子さんしか部員はおらず、さと子は部員集めに奔走する。なんとか急造したへっぽこなぎなた部は部長の朝子さんの独断で、思わぬ相手と闘うことに――。
一方、変わり者といえばお母さんもだ。「どうしてうちには、お父さんがいないの?」と聞いても、「オトウサン? 何それ?」とトボけるばかり。でも中学生になったから、もう騙されてあげられない。
さと子の13年の人生をかけた闘いが始まる。

強くなれる。大事なものをきっと守れる。
俊才が放つ、青春小説の新たなる傑作!

小嶋陽太郎コメント

昨年の秋、松本城で「少年少女剣道なぎなた大会」という看板を見たのをきっかけに、なぎなたを題材にした話を書き始めました。なぎなた少女たちがそれぞれ勝手にしゃべり動くのを、あれよあれよと追いかけていくうちにこんな物語ができました。こんな物語になったかあ……と、僕自身、感心しております。乙女たちのたたかいを、見守っていただければ幸いです。

小嶋陽太郎コメント

昨年の秋、松本城で「少年少女剣道なぎなた大会」という看板を見たのをきっかけに、なぎなたを題材にした話を書き始めました。なぎなた少女たちがそれぞれ勝手にしゃべり動くのを、あれよあれよと追いかけていくうちにこんな物語ができました。こんな物語になったかあ……と、僕自身、感心しております。乙女たちのたたかいを、見守っていただければ幸いです。

小嶋陽太郎 最新インタビュー
小嶋陽太郎 最新インタビュー
『おとめの流儀。』という本を書きました。
『おとめの流儀。』という本を書きました。
小嶋陽太郎プロフィール

1991年長野県松本市生まれ。信州大学人文学部在学中。2014年『気障でけっこうです』(KADOKAWA)で第16回ボイルドエッグズ新人賞を受賞しデビュー。第二作は15年『火星の話』(KADOKAWA)、本作が三作目となる。
現在、中学一年生3人組の甘酸っぱい冒険を描く『銀杏の木の下で』を朝日中高生新聞にて連載中。
端正な筆致と軽やかな感性で注目を集める現役大学生作家。


『気障でけっこうです』特設サイト Amazon 気障でけっこうです Amazon 火星の話
小嶋陽太郎プロフィール

1991年長野県松本市生まれ。信州大学人文学部在学中。2014年『気障でけっこうです』(KADOKAWA)で第16回ボイルドエッグズ新人賞を受賞しデビュー。第二作は15年『火星の話』(KADOKAWA)、本作が三作目となる。 現在、中学一年生3人組の甘酸っぱい冒険を描く『銀杏の木の下で』を朝日中高生新聞にて連載中。 端正な筆致と軽やかな感性で注目を集める現役大学生作家。

『気障でけっこうです』特設サイト Amazon 気障でけっこうです Amazon 火星の話
おとめの流儀。/ブックレビュー

すやまさん
おとめの流儀。実に面白い小説だった。登場人物たちの優しさや部活動に対する真剣な想いがとてもいい世界観を作ってくれていると思う。爽やかなだけじゃなく、熱さを持った熱量のある作品だけど最後はこれでもかと爽やかにかつエモーショナルに終わるのが堪らなかった。
——すやま@Atsu1025さん/1月26日ツイッターより

松井ゆかり氏(書評家)
 部活だけでなく、さと子にはもうひとつ気がかりなことがある。それは、ずっといないものとされていたお父さんの存在だ。さと子のあり得ないほどしっかりした性格やなぎなたを始めた理由はおとうさんの不在と密接に関係しており、子どもは大人が思うよりもずっといろいろ考えて行動しているのだと改めて思い知らされる。本書はそんなさと子の成長を細やかに描き出した一年間の物語となっている。
 小嶋陽太郎という作家はどうしてこんなに10代の気持ちがわかるのか(まあ、ご本人もまだ20代前半という若者なわけだが)。デビュー作『気障でけっこうです』(KADOKAWA)で女子高校生の、『火星の話』(同)で男子高校生の心情をみずみずしく描いた筆力は、本書でも余すところなく発揮されている(よろしければ、それぞれ2014年12月第3週2015年6月第3週のバックナンバーをお読みになってみてください)。それだけではない、さらに素晴らしいと思うのは大人たちもまた魅力的なところだ。私は特に虫顧問にぐっときてしまった(『火星の話』の山口先生に続いて、先生の人物造形が素敵)。小嶋氏の著書は本書が3冊目となるが、ここまで外れなし。いま読み始めれば、「小嶋陽太郎? 早い段階で注目してましたけど」と自慢できますよ!
——「NEWS 本の雑誌」/松井ゆかり氏書評なぎなた少女の一年間の物語〜小嶋陽太郎『おとめの流儀。』より一部引用

北上次郎氏(文芸評論家)
 小嶋陽太郎『おとめの流儀。』がいい。中学生小説だが、読み始めたらやめられず、素敵なラストまで一気読みである。
 主人公は中学一年の山下さと子。部員が集まらずに廃部危機に直面していたなぎなた部に入り、なんとか部員を集めたものの大半が素人だから、はなはだ頼りない。しっかり者のキャプテン朝子先輩ですらなぎなた歴一年で……これで大丈夫なのか、という中学生の日々が始まるのだが、なぎなたについて何も知らない読者を徐々に物語にひきずりこんでいく手腕は見事。
 寄せ集めた六人の部員のキャラが立っているのもいいし、公園のベンチにいつも座っている競馬おじさんや、朝子先輩にくってかかる剣道部のキツネなどのわき役までもが活写されているのがいい。
 ……第一作、第二作を読むとまだ揺れている感はあるが、三作目でここまで書けるなら将来が楽しみだ。有望な新人とメモしておきたい。
――「ジェイ・ノベル」2月号/北上次郎氏書評より一部引用

川原瑞丸さん(イラストレーター)

——「アスタ」2月号/川原瑞丸の秘密図書館より

餃子さん
小嶋陽太郎「おとめの流儀。」さいこうなのかよ…世界観がキラキラして、自分の暗黒の中学時代も、もしかしたらこんなだったんじゃないかって記憶を塗り替えられそう。
中学生の一人称のていで平易な日本語で描かれながらもあざとすぎず、必要以上には漢字が開かれてないのでテンポも失わず、サクサク読めながらも登場人物全員にドラマがあり、物語あるあるを適度にずらし、最後には号泣させ、安心安定の作家さんだと思ったら1991年生まれとは!!ひゅー!
——餃子@doruccaさん/1月9日ツイッターより

新潮社・中村睦さん
 書店店頭でこの可愛らしい装幀が目に止まり、ふと手にとりました。それぞれの登場人物の過不足のない描き方、ユーモア、はつらつとした空気感、品のよさ。そうした心地よさに浸りながら、読み終えるのが惜しい思いで読了しました。後半、虫顧問の謎が解かれていくあたりも、ストーリーの起伏が十分に練られていると思います。「このたたかいは、私のものだ」というさと子の胸中のセリフがありますが、こうしたシンプルな表現、言葉を自然に読ませてしまうのは、作者の力量ゆえといって間違いありません。世代や性別をこえて、小嶋さんが伝えたいと思っている「核」がしっかり捉えられていると思います。そう、この作品は全世代に読まれてよい普遍性があると思うのです。
――新潮社/出版部・中村睦さんのメールより

別冊文藝春秋・角田国彦さん
 面白いですねえ。題材としてはかなり地味かもしれませんが、それをここまでかっこよく、魅力的に描けるのはものすごい力だと思いました。「こちら文学少女になります」の第一回でも感じたことですが、小嶋さんは取材ものと相性が抜群ではないかと。なぎなたをやったことがないにもかかわらず、ここまで読者のイメージを掻き立ててくるのか、と舌を巻きました。
 さと子も魅力的ですが、なんといっても朝子がいいですね。才能がありつつ、面倒くさくもあり、中二病的な自意識も感じさせて中学生の持つキラキラ感を体現しているのではないでしょうか。
 その他にも岩山くんとか、脇役が素晴らしかったです。彼の人間的な不器用さと運動神経の悪さが、思わず応援したくなるいじましさを感じさせますね。描かれているのはなぎなた部ですが、世の中にはいろんな人がいて、いろんなことが起きるという世界の広がりを垣間見せてくれているような気がしました。中学時代を思い出して、懐かしくなる小説です。
――文藝春秋/別冊文藝春秋・角田国彦さんのメールより

朝日中高生新聞(選・編集部)
「なぎなた」対「剣道」。試合場では、一瞬で決まる勝負に緊張感が漂い、思わず息をのみます。一方で、さと子のお父さん探しも裏で進行。くすっと、ぐっと、ほろっと、一冊を通してさまざまな感情がかけめぐる青春小説です。
——朝日中高生新聞(12月13日号)新刊書評より

水野麻衣子さん(朝日学生新聞社編集部)
「なぎなた」対「剣道」の真剣勝負に手に汗にぎりました。それに小嶋さんらしい個性的なキャラたちが、これまで以上にすごくいい味をだしていますね〜。ゆきちゃんも、お母さんも、競馬おじさんも、虫顧問も……みなそれぞれにひかれます。楽しさ、おかしさ、切なさ、すがすがしさ、すべてつまっていて、最初から最後までたっぷりと堪能させていただきました。ぜひたくさんのリアル中高生に手に取ってもらいたいです!
なんと昨夜、夢の中に競馬おじさんが現れました。私のためになぜかお金を積み立ててくれているようで、困った時はいつでも言ってくれと言われました(笑)。私の夢の中の競馬おじさんは、地井武男さんをちょっとゆるくしたような感じの素敵なおじさんでした。本を読んでいるときはもっとちがったイメージだったはずなのですが……。
――朝日中高生新聞『銀杏の木の下で』担当・水野麻衣子さんのメールより

唐木さやかさん(タレント/パーソナリティ)
今日のFM長野 “水曜echoes” に、作家の小嶋陽太郎さんがゲストとして出演してくださいました! 私と真保さんに、サインと共に書いて下さったコメントが、「ムリをしない」「たまにムリをする」相変わらずお人柄も素敵!!
そんな小嶋陽太郎さんの新作『おとめの流儀。』すっごくすっごく面白くて感動しました! 楽しくて軽快に読み進められ、ふふっと笑っちゃったりうるっときたり、いつの間にか吸い込まれて。小嶋先生の作品はいつもずるいのです。デビュー作から虜です。
——唐木さやか@sayakarakiさん/12月9日ツイッターより

紀伊國屋書店・福田志摩さん
 私自身が、元リアルなぎなた女子。本書の発売をとても楽しみに待っていました。経験者ということもあり、読んでみたらすごく懐かしく感じられました。
 なぎなた部の皆さんが苦労していた、中段の構え・半身や技の繰り出し方などすごくよく分かります。なぎなた対剣道の試合シーンなどもそうですが、さと子や朝子たちの物語がいっそう楽しめました。
 学生時代からしばらくなぎなたをやっていませんが、またなぎなたをやりたくなりました。読了後、思わずホウキを手に素振りしてみました。ホウキとなぎなたでは、全然長さ・重さが違いますが。読んでいて胸に迫るものがあり、学生時代の大切な思い出が呼び起される、さわやかでステキなお話でした。
 朝子さんが凛々しくてかっこいい。さらに競馬おじさん、虫顧問といった脇役が良い味を出していてナイスです。家族・青春の物語になぎなたをうまく取り入れていて、上手いなあと感心しました。
——紀伊國屋書店/ブランド事業推進部・福田志摩さんのメールより

「小説屋sari-sari」編集長・柏井伸一郎さん
 改めて小嶋さんの言葉、文章のセンスは素晴らしいと思いました。ストーリーもお父さんの行方を巡る一連のやりとりや展開が、現実の中にあってもちょっと非日常を感じさせるという、これぞまさにコジマジック。『気障でけっこうです』や『火星の話』での不思議要素に優るとも劣らないワンダーでした。
 なぎなた部での決心や闘いと、お父さんに会うことの心情が相関的に描かれることで、さと子の成長が鮮やかに浮き彫りになっていました。
 この題材なら、スポコン的な派手な展開を考えてしまいがちですが、いい意味での控えめさが、少女たちの迷いや成長、葛藤をよりリアルにし、「どこか切ない青春」の輪郭を際立たせていました。これは小嶋さんの強力な武器ではないでしょうか。同じ題材を他の方が描いたら、全然違う印象になっていたと思います。
 愛すべき、すてきな小説と思いました。
——KADOKAWA 角川書店/「小説屋sari-sari」編集長・柏井伸一郎さんのメールより

小説現代・中谷洋基さん
 廃部寸前からの部員集め、内部分裂の危機や真剣勝負、友情に成長と、王道的な青春部活ストーリーを主軸に、重すぎない程度に適度に挿入されたお父さん問題がアクセントとなり、小嶋さんの軽妙でユニークな筆致にも誘われて、あれよあれよという間に一気読みでした!!
 また、頭の回転が良く大人びた(それでいて可愛いとは!)主人公の視点も面白く、どの登場人物も非常に魅力的で、特に競馬おじさんなどは小嶋さんらしい良いキャラクターだなと思っていました。
 なぎなたのシーンもとても良いですが(女子なぎなたvs.男子剣道、スリリングです)、「戦うのはいつも自分ひとり」であるという武道精神の描写や、自分のスタイルを見つけなければとあれこれ思い悩む場面が、個人的にはとても好きで響くところがありました。
 私自身、小6まで空手を習っており、あの頃の自分に読ませてあげたかったなと思います。読後感も爽やかで、やはり青春モノは自分の経験を懐かしく思い出したりできるからこそ、また、成長という要素を追体験できるからこそ人を惹きつけるのかもしれません。青春まっさかりの子供、少年少女から、かつて少年少女だった大人にも広く読まれるといいなと思います。
——講談社/小説現代・中谷洋基さんのメールより

アイス@読書さん
小嶋陽太郎さんの『おとめの流儀。』を読了。なぎなた部も剣道部も、みんな可愛くも頼もしく、とてもカッコよかった。みんながそれぞれの戦いや流儀に対して真剣に向き合ってる姿に感動したし、勇気をもらえた。おもしろかったです(^^)
——アイス@読書@astronomy06111さん/11月30日ツイッターより

朝日新聞「純文学少女こゝろちゃん」
 剣道のようにメジャーではなく、まして部活がある学校は本当に珍しいなぎなた。この小説は、中学校の弱小なぎなた部を舞台にした青春小説です。1ページに1回は笑わせてくれて、それでいて武道の神髄を突くような深みもあり、読み終わる頃にはなぎなたファンになりそうです。
……ミニ弁慶のような男子部員の岩山君、やる気のないカマキリのような顧問の先生、なぜかキノコばかり買い込む不思議なお母さんなど、脇役のキャラも最高。読み終わるのが寂しくなる、爽やかな物語です。
——「朝日新聞」(11月30日朝刊)純文学少女こゝろちゃん書評より

タニグチリウイチ氏(書評家)
なぎなたという一風かわった(『あさひなぐ』とかあるけど)題材で、少女たちが迷い躓きながらも奮戦し、成長していく姿を楽しみ、家庭に抱えた迷いを行動によって払拭していく気丈さに触れつつ、子供といえども侮っていられないことを大人として知る、小嶋陽太郎さん『おとめの流儀。』(ポプラ社)。
分かりやすくて面白くて、ドキドキとして残念でも、最後にいいこともあってといった上に下に振れる感情を味わえる物語、かな。虫顧問とか岩山君とかおじさんとか、雰囲気で他人を見下し侮ってはいけないことも教えられる。若きも老いも読み、知ろう。
——タニグチリウイチ@uranichiさん/11月20日ツイッターより

おとめの流儀。/ブックレビュー

すやまさん
おとめの流儀。実に面白い小説だった。登場人物たちの優しさや部活動に対する真剣な想いがとてもいい世界観を作ってくれていると思う。爽やかなだけじゃなく、熱さを持った熱量のある作品だけど最後はこれでもかと爽やかにかつエモーショナルに終わるのが堪らなかった。
——すやま@Atsu1025さん/1月26日ツイッターより

松井ゆかり氏(書評家)
 部活だけでなく、さと子にはもうひとつ気がかりなことがある。それは、ずっといないものとされていたお父さんの存在だ。さと子のあり得ないほどしっかりした性格やなぎなたを始めた理由はおとうさんの不在と密接に関係しており、子どもは大人が思うよりもずっといろいろ考えて行動しているのだと改めて思い知らされる。本書はそんなさと子の成長を細やかに描き出した一年間の物語となっている。
 小嶋陽太郎という作家はどうしてこんなに10代の気持ちがわかるのか(まあ、ご本人もまだ20代前半という若者なわけだが)。デビュー作『気障でけっこうです』(KADOKAWA)で女子高校生の、『火星の話』(同)で男子高校生の心情をみずみずしく描いた筆力は、本書でも余すところなく発揮されている(よろしければ、それぞれ2014年12月第3週2015年6月第3週のバックナンバーをお読みになってみてください)。それだけではない、さらに素晴らしいと思うのは大人たちもまた魅力的なところだ。私は特に虫顧問にぐっときてしまった(『火星の話』の山口先生に続いて、先生の人物造形が素敵)。小嶋氏の著書は本書が3冊目となるが、ここまで外れなし。いま読み始めれば、「小嶋陽太郎? 早い段階で注目してましたけど」と自慢できますよ!
——「NEWS 本の雑誌」/松井ゆかり氏書評なぎなた少女の一年間の物語〜小嶋陽太郎『おとめの流儀。』より一部引用

北上次郎氏(文芸評論家)
 小嶋陽太郎『おとめの流儀。』がいい。中学生小説だが、読み始めたらやめられず、素敵なラストまで一気読みである。
 主人公は中学一年の山下さと子。部員が集まらずに廃部危機に直面していたなぎなた部に入り、なんとか部員を集めたものの大半が素人だから、はなはだ頼りない。しっかり者のキャプテン朝子先輩ですらなぎなた歴一年で……これで大丈夫なのか、という中学生の日々が始まるのだが、なぎなたについて何も知らない読者を徐々に物語にひきずりこんでいく手腕は見事。
 寄せ集めた六人の部員のキャラが立っているのもいいし、公園のベンチにいつも座っている競馬おじさんや、朝子先輩にくってかかる剣道部のキツネなどのわき役までもが活写されているのがいい。
 ……第一作、第二作を読むとまだ揺れている感はあるが、三作目でここまで書けるなら将来が楽しみだ。有望な新人とメモしておきたい。
――「ジェイ・ノベル」2月号/北上次郎氏書評より一部引用

川原瑞丸さん(イラストレーター)

——「アスタ」2月号/川原瑞丸の秘密図書館より

餃子さん
小嶋陽太郎「おとめの流儀。」さいこうなのかよ…世界観がキラキラして、自分の暗黒の中学時代も、もしかしたらこんなだったんじゃないかって記憶を塗り替えられそう。
中学生の一人称のていで平易な日本語で描かれながらもあざとすぎず、必要以上には漢字が開かれてないのでテンポも失わず、サクサク読めながらも登場人物全員にドラマがあり、物語あるあるを適度にずらし、最後には号泣させ、安心安定の作家さんだと思ったら1991年生まれとは!!ひゅー!
——餃子@doruccaさん/1月9日ツイッターより

新潮社・中村睦さん
 書店店頭でこの可愛らしい装幀が目に止まり、ふと手にとりました。それぞれの登場人物の過不足のない描き方、ユーモア、はつらつとした空気感、品のよさ。そうした心地よさに浸りながら、読み終えるのが惜しい思いで読了しました。後半、虫顧問の謎が解かれていくあたりも、ストーリーの起伏が十分に練られていると思います。「このたたかいは、私のものだ」というさと子の胸中のセリフがありますが、こうしたシンプルな表現、言葉を自然に読ませてしまうのは、作者の力量ゆえといって間違いありません。世代や性別をこえて、小嶋さんが伝えたいと思っている「核」がしっかり捉えられていると思います。そう、この作品は全世代に読まれてよい普遍性があると思うのです。
――新潮社/出版部・中村睦さんのメールより

別冊文藝春秋・角田国彦さん
 面白いですねえ。題材としてはかなり地味かもしれませんが、それをここまでかっこよく、魅力的に描けるのはものすごい力だと思いました。「こちら文学少女になります」の第一回でも感じたことですが、小嶋さんは取材ものと相性が抜群ではないかと。なぎなたをやったことがないにもかかわらず、ここまで読者のイメージを掻き立ててくるのか、と舌を巻きました。
 さと子も魅力的ですが、なんといっても朝子がいいですね。才能がありつつ、面倒くさくもあり、中二病的な自意識も感じさせて中学生の持つキラキラ感を体現しているのではないでしょうか。
 その他にも岩山くんとか、脇役が素晴らしかったです。彼の人間的な不器用さと運動神経の悪さが、思わず応援したくなるいじましさを感じさせますね。描かれているのはなぎなた部ですが、世の中にはいろんな人がいて、いろんなことが起きるという世界の広がりを垣間見せてくれているような気がしました。中学時代を思い出して、懐かしくなる小説です。
――文藝春秋/別冊文藝春秋・角田国彦さんのメールより

朝日中高生新聞(選・編集部)
「なぎなた」対「剣道」。試合場では、一瞬で決まる勝負に緊張感が漂い、思わず息をのみます。一方で、さと子のお父さん探しも裏で進行。くすっと、ぐっと、ほろっと、一冊を通してさまざまな感情がかけめぐる青春小説です。
——朝日中高生新聞(12月13日号)新刊書評より

水野麻衣子さん(朝日学生新聞社編集部)
「なぎなた」対「剣道」の真剣勝負に手に汗にぎりました。それに小嶋さんらしい個性的なキャラたちが、これまで以上にすごくいい味をだしていますね〜。ゆきちゃんも、お母さんも、競馬おじさんも、虫顧問も……みなそれぞれにひかれます。楽しさ、おかしさ、切なさ、すがすがしさ、すべてつまっていて、最初から最後までたっぷりと堪能させていただきました。ぜひたくさんのリアル中高生に手に取ってもらいたいです!
なんと昨夜、夢の中に競馬おじさんが現れました。私のためになぜかお金を積み立ててくれているようで、困った時はいつでも言ってくれと言われました(笑)。私の夢の中の競馬おじさんは、地井武男さんをちょっとゆるくしたような感じの素敵なおじさんでした。本を読んでいるときはもっとちがったイメージだったはずなのですが……。
――朝日中高生新聞『銀杏の木の下で』担当・水野麻衣子さんのメールより

唐木さやかさん(タレント/パーソナリティ)
今日のFM長野 “水曜echoes” に、作家の小嶋陽太郎さんがゲストとして出演してくださいました! 私と真保さんに、サインと共に書いて下さったコメントが、「ムリをしない」「たまにムリをする」相変わらずお人柄も素敵!!
そんな小嶋陽太郎さんの新作『おとめの流儀。』すっごくすっごく面白くて感動しました! 楽しくて軽快に読み進められ、ふふっと笑っちゃったりうるっときたり、いつの間にか吸い込まれて。小嶋先生の作品はいつもずるいのです。デビュー作から虜です。
——唐木さやか@sayakarakiさん/12月9日ツイッターより

紀伊國屋書店・福田志摩さん
 私自身が、元リアルなぎなた女子。本書の発売をとても楽しみに待っていました。経験者ということもあり、読んでみたらすごく懐かしく感じられました。
 なぎなた部の皆さんが苦労していた、中段の構え・半身や技の繰り出し方などすごくよく分かります。なぎなた対剣道の試合シーンなどもそうですが、さと子や朝子たちの物語がいっそう楽しめました。
 学生時代からしばらくなぎなたをやっていませんが、またなぎなたをやりたくなりました。読了後、思わずホウキを手に素振りしてみました。ホウキとなぎなたでは、全然長さ・重さが違いますが。読んでいて胸に迫るものがあり、学生時代の大切な思い出が呼び起される、さわやかでステキなお話でした。
 朝子さんが凛々しくてかっこいい。さらに競馬おじさん、虫顧問といった脇役が良い味を出していてナイスです。家族・青春の物語になぎなたをうまく取り入れていて、上手いなあと感心しました。
——紀伊國屋書店/ブランド事業推進部・福田志摩さんのメールより

「小説屋sari-sari」編集長・柏井伸一郎さん
 改めて小嶋さんの言葉、文章のセンスは素晴らしいと思いました。ストーリーもお父さんの行方を巡る一連のやりとりや展開が、現実の中にあってもちょっと非日常を感じさせるという、これぞまさにコジマジック。『気障でけっこうです』や『火星の話』での不思議要素に優るとも劣らないワンダーでした。
 なぎなた部での決心や闘いと、お父さんに会うことの心情が相関的に描かれることで、さと子の成長が鮮やかに浮き彫りになっていました。
 この題材なら、スポコン的な派手な展開を考えてしまいがちですが、いい意味での控えめさが、少女たちの迷いや成長、葛藤をよりリアルにし、「どこか切ない青春」の輪郭を際立たせていました。これは小嶋さんの強力な武器ではないでしょうか。同じ題材を他の方が描いたら、全然違う印象になっていたと思います。
 愛すべき、すてきな小説と思いました。
——KADOKAWA 角川書店/「小説屋sari-sari」編集長・柏井伸一郎さんのメールより

小説現代・中谷洋基さん
 廃部寸前からの部員集め、内部分裂の危機や真剣勝負、友情に成長と、王道的な青春部活ストーリーを主軸に、重すぎない程度に適度に挿入されたお父さん問題がアクセントとなり、小嶋さんの軽妙でユニークな筆致にも誘われて、あれよあれよという間に一気読みでした!!
 また、頭の回転が良く大人びた(それでいて可愛いとは!)主人公の視点も面白く、どの登場人物も非常に魅力的で、特に競馬おじさんなどは小嶋さんらしい良いキャラクターだなと思っていました。
 なぎなたのシーンもとても良いですが(女子なぎなたvs.男子剣道、スリリングです)、「戦うのはいつも自分ひとり」であるという武道精神の描写や、自分のスタイルを見つけなければとあれこれ思い悩む場面が、個人的にはとても好きで響くところがありました。
 私自身、小6まで空手を習っており、あの頃の自分に読ませてあげたかったなと思います。読後感も爽やかで、やはり青春モノは自分の経験を懐かしく思い出したりできるからこそ、また、成長という要素を追体験できるからこそ人を惹きつけるのかもしれません。青春まっさかりの子供、少年少女から、かつて少年少女だった大人にも広く読まれるといいなと思います。
——講談社/小説現代・中谷洋基さんのメールより

アイス@読書さん
小嶋陽太郎さんの『おとめの流儀。』を読了。なぎなた部も剣道部も、みんな可愛くも頼もしく、とてもカッコよかった。みんながそれぞれの戦いや流儀に対して真剣に向き合ってる姿に感動したし、勇気をもらえた。おもしろかったです(^^)
——アイス@読書@astronomy06111さん/11月30日ツイッターより

朝日新聞「純文学少女こゝろちゃん」
 剣道のようにメジャーではなく、まして部活がある学校は本当に珍しいなぎなた。この小説は、中学校の弱小なぎなた部を舞台にした青春小説です。1ページに1回は笑わせてくれて、それでいて武道の神髄を突くような深みもあり、読み終わる頃にはなぎなたファンになりそうです。
……ミニ弁慶のような男子部員の岩山君、やる気のないカマキリのような顧問の先生、なぜかキノコばかり買い込む不思議なお母さんなど、脇役のキャラも最高。読み終わるのが寂しくなる、爽やかな物語です。
——「朝日新聞」(11月30日朝刊)純文学少女こゝろちゃん書評より

タニグチリウイチ氏(書評家)
なぎなたという一風かわった(『あさひなぐ』とかあるけど)題材で、少女たちが迷い躓きながらも奮戦し、成長していく姿を楽しみ、家庭に抱えた迷いを行動によって払拭していく気丈さに触れつつ、子供といえども侮っていられないことを大人として知る、小嶋陽太郎さん『おとめの流儀。』(ポプラ社)。
分かりやすくて面白くて、ドキドキとして残念でも、最後にいいこともあってといった上に下に振れる感情を味わえる物語、かな。虫顧問とか岩山君とかおじさんとか、雰囲気で他人を見下し侮ってはいけないことも教えられる。若きも老いも読み、知ろう。
——タニグチリウイチ@uranichiさん/11月20日ツイッターより

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