おとめの流儀。
小嶋陽太郎
ポプラ文庫
2017年12月刊
定価・本体740円+税
なぎなた部、かっこいい! ぐふぐふ笑いながら読み、試合シーンに息をのみ、最後はまばゆくて文字がかすんで見えました。……涙のせいかもしれません。 (三浦しをん)
中学1年生になったさと子が入部したのは「なぎなた部」。部員不足によりさっそく廃部の危機にさらされたが、不安しかないメンバーが揃い、なんとか回避。だけど、部長の朝子さんから告げられた部の目標は「剣道部を倒す」ことで——!? 13歳、部活も人生も、いざ真剣勝負! 三浦しをん氏、北上次郎氏ら本読みのプロにも絶賛された小嶋陽太郎の長編第3作、早くも文庫化!
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悲しい話は終わりにしよう
小嶋陽太郎
角川書店
2017年11月刊
定価・本体1400円+税
僕がその手を離さなければ、未来は違っていたのだろうか。
松本は僕の生まれ育った町だった。生まれ育った松本から出ることのないまま大学生になった僕は、信州大学附属図書館のくたびれたソファで寝るか、数少ない友人の広崎と吉岡さんと慣れないビールを飲んで時間をつぶす毎日を送っていた。季節とともにまわりはどんどん変わっていくのに、あの日のことを忘れられない僕は、ずっと動けずにいた。友情、淡い恋心、ちぐはぐな心とからだ——松本を舞台に、胸をかきむしるほどの切なさで青春の喪失と再生をみずみずしく描ききった小嶋陽太郎入魂の新境地。痛みと絶望の先に差すかすかな光のまぶしさに胸がひりつく書き下ろし長篇第7作。
今夜、きみは火星にもどる
小嶋陽太郎
角川文庫
2017年10月刊
定価・本体760円+税
僕は彼女のために何ができたのだろう。
「私、火星人なの」――必死なまなざしでそううそぶく佐伯さんに、僕は恋をした。夏休みの数学の補修を一緒に受けながら毎日彼女のいる火星の白昼夢を見るほど、気持ちはつのるばかり。誰もいない校舎で、夜のグラウンドで、ゲームセンターで、佐伯さんとの距離はだんだん近づいていったが、彼女は自分の家のことを決して話そうとしないまま、別れの時が迫っていた。不思議な転校生への恋心が退屈な日常を変えていく、限りなく切ない青春小説。(『火星の話』改題/解説・吉田大助)
ぼくらはその日まで
小嶋陽太郎
ポプラ社
2017年8月刊
定価・本体1400円+税
どうかこの夜が終わらずに、いつまでも。
サク・ハセの幼馴染み男子コンビに、不思議少女・チカが加わった仲良し3人組。中2のクラス替えでひとり離れてしまったサクは、バレー部のエース・水瀬さんから思ってもみない告白を受ける。夏休み、合宿と称して3人組はハセの親戚の家へ。そこで変なしゃべり方だけどやたらと美人の高校生・桐子さんに出会い、サクは人が恋に落ちる瞬間というものを初めて目にする。親友・ハセの一心な恋は、眠っていた記憶と未来を結び——「好き」も「わからない」も「絶対」も、全部まっすぐだから難しい。「朝日中高生新聞」で人気沸騰! 青春のもどかしさときらめきを描く快作!
ぼくのとなりにきみ
小嶋陽太郎
ポプラ社
2017年2月刊
定価・本体1400円+税
むずむずした。そわそわした。心がくすぐったくて、じっとしていられなくなった。やっぱり小嶋陽太郎は、チャーミングの天才! —吉田大助(ライター・書評家)
慎重で大人っぽいサクとスポーツ万能で天真爛漫なハセは、仲良し中1男子コンビ。夏休みの最終日、町の古墳へ冒険に出た2人は謎の暗号を拾ってくる。教室で解読にいそしんでいると、いつもフシギな行動が目立つ近田さんが割り込んできて、暗号調査隊に加わることに。はじめは乗り気になれなかったサクだったが、無防備な笑顔やまっすぐに歌う姿を見るうち、近田さんが気になっていく。彼女の奇行にはどうやら秘密があるようで……。クラスではちょっとだけ変わり者の3人組、冒険と恋の青春物語。
私たちの願いは、いつも。
尾﨑英子
角川文庫
2017年1月刊
定価・本体680円+税
十四歳の二倍も生きてんのに、私たち、どうしてこんなに人生に不器用なんだろう。
中学で同級生だった二十八歳の女三人。設計士として「住まいを作る」仕事と向き合いながら、突如豹変した母親との関わりに悩む曜子。結婚し、娘を保育園に通わせて幸せな日々のはずが、なぜか満たされない紀子。優雅な実家暮らしだが、誰にも明かせない秘密を一人で抱えている朋美。神社で「小さいおじさん」を見たとクラス会で朋美が話したことから、それぞれの日々が少しずつ変化し始める。「ここまで才能あふれた新人は、そう簡単には出てこない」とまで絶賛された第16回ボイルドエッグズ新人賞受賞作の文庫化!(『小さいおじさん』改題/解説・北上次郎)
気障でけっこうです
小嶋陽太郎
角川文庫
2016年11月刊
定価・本体720円+税
公園に、おじさんが生えている。
女子高生のきよ子が公園で出くわしたのは、地面に首まですっぽりはまったおじさんだった。「人生の小路に潜む、落とし穴にはまり……」と間抜けな格好で嘆く男。きよ子は助け出そうとするも、途中で車にはねられ病院送り。病室で目を覚ましたきよ子の前に、あのおじさんが現れた。「私、死んじゃったんですよ」七三分けのキザで気弱なおじさん幽霊と退屈を持て余している女子高生の奇妙な交流を描く、切なく不思議な新感覚の青春小説。スピンオフ短篇「ハムスターと私」も収録。
期待の新鋭による第16回ボイルドエッグズ新人賞受賞作、早くも文庫化!(解説・松井ゆかり)
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こちら文学少女になります
小嶋陽太郎
文藝春秋
2016年9月刊
定価・本体1750円+税
はい、漫画編集者の汗やら涙やら、変な汁まで、ほぼこの通りであります。
――田中純『ヤングジャンプ』元編集長
大手出版社入社一年目、「漫画嫌い」の山田友梨が配属されたのはなんと、男だらけの青年漫画誌「ヤングビート」だった。大物作家を激怒させ、長寿連載「解決屋一平」はまさかの終了。さらには童貞が主人公のエッチ漫画「いまだ、できず」の人気は急降下。雑誌を牽引する大ヒット作「キヨのひらく箱」には激しく心を動かされるものの、作者とは一回も会えない——編集失格の烙印を押される友梨の前に、ある日、かなり見覚えのある"あの子"が現れた。「ハロー、ユリちゃん」
ボイルドエッグズ新人賞受賞作家が放つ、イタくて深い、新感覚!青春感動物語。
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